私が死んでも代わりはいるもの

id:hinoharu:20080411 あたりから。


「自分が死に、クローンが完全な記憶をもって後を継ぐとしたら、
 自分自身はどんな気持ちか」
これ、SFでは色々と形を変えながら良く使われるテーマですね。
肉体を捨ててサイバースペースに入る、他人の体に自分の脳を移植する、
コールドスリープ、並行世界、なんてのもこのテーマと関連することが多いです。


で、実際どんな気持ちがするか。
客観的に考えると、寝るのと大差ないはずです。
寝るときは意識はいったんブラックアウトしますよね。
そして次の朝目が覚めるわけですが、その「目が覚めた自分」は、
「昨日の夜寝たという記憶」を持ってるクローンされた自分なのかもしれません。


だけど、じゃあ、寝る代わりにお前は死んでクローンが後を継ぐのだ、
と言われて、はいそうですか、と素直に承知はできない気がします。
それは何故か。


たぶん、単に「死」「自分がいなくなること」への原始的な、無意識的な、
抵抗があるからじゃないかな。
人間の意識なんてのは殆ど無意識の奴隷なのだ、ということが、最近の脳科学
研究でわかってきていますが、その中でも最も克服困難なのがそれなのだと思います。