コンタクト

地球外の知性とコンタクトを取ろう、という試みは、ずいぶん昔からなされています。
SETIとかそういう類です。


その意義については、私が説明するまでも無いのですが、1つだけ挙げるとしたら。
発達した科学文明(少なくとも電波によるメッセージ発信レベル)を有する知的存在が、宇宙に少なくとももう1種居てくれるっていうのは。
このだだっ広い宇宙にひとりぼっちじゃないんだ、科学を発達させたまま文明を維持できるんだ*1、という点だけで、我々にとってどれだけ勇気づけられるかわかりません。


だけど、あ、あそこに知的生命体が居るようだぞ、となってからの、意志を取り交わすプロトコルって、考えられているんでしょうか。
つまり、自分と似た文化的基盤を持たない、自分と同じパターンで思考をするかどうかも、勿論使ってる言葉も、何もかも分からない相手と、電報だけでどうやって意志を交わすか、という話です。


素人が考えると・・・

  • まずは数字ですよね。これは極論すればその回数だけパルスを送ればいいんだから、なんとかなるでしょう。数という概念を持たない知的存在、というのも想像しにくいですし。
  • 次は数学だと思います。真になるような数式を膨大に送れば、解読して個々の記号(Πとか√とか)を理解してくれるんじゃないでしょうか。数学は宇宙のどこでも同じでしょうし。

と、言うようにやっていけば、数学、物理学、と、記号論理学あたりまではたどり着けるでしょう。
相手が2次元の「絵」を理解してくれるなら、写真を送るところまでは期待しても良いかもしれません。


しかし、その先となると。
「快」「不快」といった基本的な感情でさえ、どうやって伝えたら良いのか想像がつきません。
人間同志がコミュニケーションする際、いかに多くの共通点を足がかりにしているのか、思い知らされます。
それが例えば全く知らない国同士で、言葉が全く通じないとしても、同じ人間だという時点で、99%はコミュニケーションが済んでいるようなものです。


そういう遊びをしたら面白いかもしれませんね。
ファーストコンタクトごっこ。できれば違う国の人同士で。
メールだけでやりとりして、使う言語はおろか文字コードすら決めない。
最初は意味の分からないバイナリファイルを送り合って、なんとか共通の文法を探っていくことになるでしょう。


まあ、やっと電波を使う段階に達したばかりの我々が、他の知的存在を発見したとしたら、「彼ら」は、我々よりずっとずっと進歩しているでしょうから。
ファーストコンタクトできたと同時に、我々には想像もつかない、気合いワープか何かで飛んできて、1日で英語をマスターして、向こうが英語を流暢に話してくれる・・・
なんていう可能性もあるんですが。


なんてことをぼーっと考えていたのでした。どっとはらい

*1:科学が発達すると、例外なく強力な兵器で自己破壊してしまうため、発達した文明は維持できない、という可能性があるのです。