身近な猛獣


今日は午前中、のらぬこ探しをしていました。
のらぬこは、よく車の下とか神社の植え込みの中とかに居ます。


今日の武器は、ニボシとかつおぶし。
かつおぶしをすこし撒いて、においでこっちに来るのを待ちます。
とは言っても生粋ののらぬこさんですから、こっちが5m位に近づくと
たーっと逃げて、10m位遠ざかった後にこっちをじっと見ます。
また近づくと、その繰り返し。


なので、こっちも座ってじーっとしているしかありません。
そうすると、恐る恐る、といった感じで近づいてきます。
かつおぶしを舐めてるのを見計らいながら、こっちもしゃがんだまま
じりじりと近づきます。相手のぬこさんが警戒したらすぐ止まって、
警戒を解いたらまたすぐ近づく。
・・・まるで「だるまさんがころんだ」のようです。


1mくらいに近づかせてもらうのに、1時間ほどかかりました。
そうした上で、手に持ったにぼしを思いっきり手を伸ばして差し出します。
とは言っても、手から直接食べてくれるのらぬこさんは滅多にいません。
こっちの手から餌をひったくって、1mくらい離れたところで食べるのが
だいたい普通の反応です。


今日のぬこさんは、にぼしをすぐに離さなかったのが気に障ったのか、
あるいはにぼしをひったくる時に間違ったのか、爪で私の指を
ざっくりとやってくれました。
中指の先端に、長さ8ミリくらいの傷がついています。血がたらーっと
たれるくらいの深さです。


猫が本気で爪を出したところを初めて見ました。あれはミニナイフですね。
傷口の切れ方を見ると、はさみかペーパーナイフくらいの鋭さはありそうです。


そういえば猫に血が出るまで引っかかれたのも初めてです。
飼い猫はどんなに嫌がってもこんな爪の立て方はしないそうですから、
要するに、同じ「人間」という生き物相手でも、猫は猫なりに気を使ったり、
手加減をしたりしているのですね。


「自分が爪を立てて引っかけばこれは傷付く生き物だ。
 傷がついたらきっと痛いだろう。
 そして、このニンゲンはいつも餌をくれるいいニンゲンだ。
 痛いことはやめよう。」


引っかかれた痛みも忘れて、そんなことを考えてちょっと感動していました。
だって、相手の痛みを想像できないと出来ない思考ですよ、これ。
下手すると人間だってそれができない人が居る、とても高度な思考だと思うのです。


あ、流石にのらぬこの爪はヤバそうなので、血を絞り出した後、
ライターであぶった鍵で傷口を焼いておきました。
今のところ化膿とかはしていません。中指なのでマウスホイールいじる時に痛いけど。


今の私の究極の目標は、のらぬこにモテモテになることです。