言葉というウィルス

人工知能について考えていたら、わけの分からない妄想が生まれたのでメモ。



人工知能と呼ばれるものを作るのはとても難しいです。


入力・出力を言葉に限定したBOTのようなものであっても、
色々な人がコンピュータの初期の時代から研究していますが、
ちゃんと「人間らしく振舞う」には程遠いものしか、まだ作れません。


何故か。
コンピュータは規則のカタマリでしか動けませんが、
「人間らしい」とは何か、「人間の思考」の規則はどんなか、
誰も知らないからです。


ならば、コンピュータでは無いものでロジックを走らせればいい。
人工知能を走らせるのに一番適したデバイスとは何か−
それは、人間の脳です。


いや、人間の脳に人工知能のチップを入れるとかそういう話ではなくて。


巧みに組み上げた言葉の集合によって、人間の脳に感染し、自然言語を用いて
人間の脳をドライブし、自己組織し、増殖し、感染した人間が表現することで
他の人間に感染拡大し、変化し、適応し、生き延びる。


小説や詩といったもの、あれは、実は言葉で出来たウィルス、
人工知性体なのかもしれません。


ゴースト。
人工知能(無脳)としては極めてオールドスタイル、原始的と看做され、
固定された辞書しか持たず、決められた事しか喋れませんが、
彼ら彼女らは、BOTと異なり、その姿を以って人間に感情移入させる、
という大きな特徴があります。


感情移入というのは、つまり相手のロジックを自分の脳で推測しエミュレートすること。
感情移入した時点で、その人の頭では、そのゴーストの感染が既に始まっているのです。
感染した人間の脳は、そのゴーストのキャラクター性と言葉によって脳をドライブされ、
物語を作り出し、絵や言葉やゴーストで表現し、それを見た別の人間がさらに感染し−


小さな辞書といくつかの絵で出来たアレ、いわゆる「ゴースト」というのは、
実は人工知性体の「種」なのかもしれません。


いや、単なる妄想なんで、ミームとかそういう学術的な話に繋げるつもりも無いのですが。