本当に必要だったもの

id:ZIDAN:20060617

ひと様んちのコメントを自分語りで汚すのもアレなのでこっちに書きますと。


この絵ですが、勿論「開発現場の理想と実態」を皮肉った絵なのですが、
(あまりにもうなづく点が多すぎて痛い絵ですが(笑))
警句として私が何を一番痛切に感じたかというと、「顧客の説明した要件」
と、「本当に必要だったもの」が乖離してる点ですかね。


「この人は何故こういう事を言っているのか」
「この人が置かれた文脈、力関係は何か」
「この人が求めるものの背景には何があるのか」
顧客の話を聞く際に技術屋が気にしなければいけない一番基本的な事であり、
重要なポイントであり、それだけに一番難しいところであったりもします。


技術的に詳しい顧客であればあるほど、こういう事態がおきやすいです。
顧客から技術的な説明を受けてしまうと、技術屋はその技術の実現方式に
頭が行ってしまい、そのウラにある本当のニーズや背景に頭が回りにくくなります。
結果として、「顧客の要件は満たしているのに使いにくいシステム」が
出来上がってしまう、と。


必要なら顧客の意見に反駁して、最終的には顧客の最初の要件を超えた成果を上げる。
そんな「賢い不服従」が出来る技術屋は、最後には一番信頼されます。
なかなかそう上手く行くケースは無いのが現状なんですけどね。


あ、もちろん一般論&自分への職業的な戒めとして書いています。
私の場合、趣味でやる分にはこういう事はあんまり気にしません。
やりたいと思った事をやるし作りたいものを作ります。だから趣味なんだし。